新橋九段です。
個人的に一番忙しい時期が過ぎたので、ちょっとずつあいちトリエンナーレ以外の話題にも焦点を当てられたらと考えています。
その最初の段階として、重大な問題となっている「政治家の街宣における反対者排除」について今回はまとめました。
この問題の焦点は主に2つあると考えています。1つは警察官による排除、もう1つは政治家による排除の肯定です。
北海道警による排除
この問題の、最近の端緒は参議院選挙の期間中(7月15日)に発生した、街宣を行った安倍首相へヤジを飛ばした男女数名が北海道警によって排除された問題です。
ネット上では、街宣を行っている者へヤジを飛ばす行為は妨害に当たるという主張も見られました。しかし、公職選挙法が禁止している街宣妨害は、聴衆が演説を聞き取ることを不可能あるいは困難ならしめるものであると最高裁が判断しています(毎日新聞の社説を参照)。少なくとも、肉声によって散発的にヤジを飛ばす行為がこれに該当しないのは事実でしょう。
北海道警がどのような意図、目的をもってこのような行為を行ったかはさておくにせよ、街宣に対してあげるヤジもまた表現の一種であると考えられ、これは明白に表現の自由の侵害であるといえます。
重要なのは、警察という、人を取り締まることのできる権力が直接的に本件にかかわっているということです。北海道警においては本件以外にも、批判者に対し不適切な行為があったことも指摘されており、市民の権利に関してあまりにも無配慮なこのような行為は表現の自由の萎縮を招くものです。
柴山昌彦文部科学相の発言
北海道警の件とは別件で、埼玉知事選の応援演説に現れた柴山文科相に対し、大学入学共通テストに反対するヤジを飛ばした男性が県警に取り押さえられる件について、当の大臣が「大声で怒鳴る声が響いてきた。選挙活動の円滑、自由は非常に重要。そういうことをするのは権利として保障されていない」と発言しました。
この件に関しても北海道の件と同様、ヤジは「聴衆が演説を聞き取ることを不可能あるいは困難ならしめる」ものとは言えない程度のものでした。この点に関しては東京新聞も報じています。
柴山大臣はあいちトリエンナーレの『表現の不自由展・その後』についても、「事業の目的と照らし合わせて確認すべき点が見受けられる」と発言しています。表現の自由について、このように抑圧的な発言を繰り返す人物が、文部科学省という、それこそ表現について教育していく役割も担っている機関のトップについていることに非常に強い危機感を覚えます。
なお、もろに自民党の案件ですが、山田太郎氏がこの件について発言したということは現在確認できていません。
その件も含め、ほかにもまとめるべき情報があればコメントへお願いします。
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