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​連合の基本方針

  我々は以下の方針を取ります。
・「オタク文化」に限らない広い範囲の表現の自由の擁護
・憎悪表現(ヘイトスピーチ)の実行力ある規制
・「オタク文化」関連産業における労働問題の解消
 以下でそれぞれ説明しましょう。

 「オタク文化」に限らない広い範囲の表現の自由の擁護
 第一に、「広く表現の自由を守るオタク連合」は表現の自由を擁護することを目的とした繋がりです。そしてオタクの繋がりです。


 しかしながら、我々が守るべき表現の自由は、「オタク文化」に留まりません。

 我々は「オタク文化」の自由のほかに、報道や論評(とりわけ権力批判)の自由、芸術作品の自由、ダンスのような身体表現の自由、タトゥーを彫る自由など、あらゆる表現の自由を擁護します。


 それは、一部の表現の自由を擁護したところで、それ以外の自由が制限されてしまえば、結局のところ守ったはずの一部の自由も十全に活用できないからです。

 仮に、「オタク文化」の自由を守った一方で「政権批判」の自由を失ったとしましょう。一見すると「オタク文化」は自由を謳歌できるように見えますが、このような状態では漫画の内容が少しでも「政権批判」にかすっただけで制限される恐れがあります。重要なのは、「政権批判」にかすったかどうかを判断するのは作者や読者ではなく、権力者であるという点です。


 ある表現を自由に行うためには、結局それ以外の自由も確保されていないければいけないのです。

 憎悪表現(ヘイトスピーチ)の実行力ある規制
 表現の自由を擁護しながら、一方でヘイトスピーチ規制を求めるというのは矛盾しているように見えるかもしれません。ヘイトスピーチをあくまで表現と捉えれば、それは表現規制に他ならないのかもしれません。

 しかし、マイノリティを侮辱し傷つける憎悪表現を野放しにすることは、マイノリティの表現の自由をかえって抑圧することに繋がります。表現の自由を十全に擁護するためには、他者の権利を侵害するような表現は許してはいけません。

 ヘイトスピーチは問題だが、規制をすべきではないという主張もあります。理想を言えばその通りでしょう。規制をすることなく、ヘイトスピーチを根絶できればそれに越したことはありません。

 しかし、現在の社会情勢を見る限りでは、そのような理想が実現する可能性は限りなく低いと言わざるを得ません。であれば、マイノリティの権利を守るために、次善の策として実行力のあるヘイトスピーチ規制を求める必要があります。

 これは、「表現の自由を擁護する」と主張する人々の少なくない数が、他者の権利を侵害する表現をも「表現の自由」として擁護することがあることとも関係しています。「広く表現の自由を守るオタク連合(仮)」がそのような立場をとらないことを明確にするためにも、ヘイトスピーチ規制を求めることは必須でしょう。

 「オタク文化」関連産業における労働問題の解消
 これは直接的に表現の自由に関係しているわけではありません。しかしあえて入れました。


 2017年に「クローズアップ現代+」が報じたように、アニメ制作現場では労働基準法に反するほどの劣悪な労働環境がまかり通っていることがままあります。日本全体の労働環境を考慮すれば、このような事情はほかの「オタク文化」関連産業でも同様と考えるべきでしょう。

 アニメや漫画といった表現は、その表現を行う者がいなければなりたちません。製作者が劣悪な労働環境を強いられる環境では、仮に表現そのものが自由であったとしても、表現を十分に行うことができません。

 このような問題に対して、オタクの繋がりである「広く表現の自由を守るオタク連合」が冷淡でいいはずはありません。オタクとして声をあげていくためにも、この問題の解消を訴えなければいけません。

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