先月より投票を募っていた『表現の不自由大賞2022』の結果が出ましたのでお知らせします。沢山の投票ありがとうございました。有効投票数は63票でした。
第6位 SLAPP訴訟と懲罰動機を用いた批判者への圧力(大阪/日本維新の会) 2票
維新の会のSLAPP訴訟が第6位でした。国会議員と国政政党による行為ということで重要なものでしたが、2022年の初頭であったことと年末に大きな出来事が続いたために印象は薄くなってしまったのかもしれません。
第5位 インボイス制度(主に政府・自民党) 6票
第5位は現在進行形のインボイス制度でした。今年10月に施行される予定ですが、何としても阻止したいところです。『本当はどれにも一票入れたいほどひどい事案ばかりだが、自分の生活に直結する問題としてインボイス制度の問題に投票する』というコメントもある通り、創作者もそうでない人も影響を多大に受ける制度です。
第4位 映像作品の上映禁止(東京都人権部) 9票
第4位は東京都で映像作品が上映禁止となった出来事です。小池百合子の歴史修正主義に加担するかのような振る舞いは驚きでした。『東京都人権部という、人権や表現の自由を重視すべき組織が、検閲を行ったのは、極めて問題だと思います』というコメントがありました。『東京都(国も)の挙げる人権課題は「外国人」と一括りにしていて、在日韓国・朝鮮人の歴史的経緯を無視しています』という指摘もあり、まさにこうした歴史的経緯の軽視が引き起こした事件と言えるでしょう。
第3位 侮辱罪厳罰化による表現規制強化(主に自民党・山田太郎など) 10票
山田太郎が主導し「成果」を誇っていた厳罰化が第3位でした。『表現の自由を守ると謳いながら表現弾圧に加担している行為は欺瞞であり許されないから』『表現の自由を守るとうたう人間が率先して表現の自由を狭めるかのような行動を起こしたのは度肝を抜かれました』というコメントがある通り、表現の自由を謳って当選した政治家にあるまじき行為でした。
第2位 参議院選における、表現の自由を騙る候補の立候補と当選(赤松健・藤末健三・栗下善行など) 11票
第2位は自民党から表現の自由を騙る候補が複数も出馬し、当選者まで出たことです。第3位の出来事は参院選前であり、案の定インボイス制度などで赤松は腰砕けでした。『AFEE絡みばかりで笑いました』というコメントがある通り、栗下もAFEE関係者ですが第1位の出来事に加担していました。
第1位 AV新法関連や女性支援団体に対するデマと誹謗中傷の扇動(音喜多駿・栗下善行・浜田聡など多数) 25票
第1位はやはりこの出来事でした。年末に渡って長期間続き、現在も悪化の一途を辿っていたため皆さんの印象に残りやすかったのだと思います。『23年からが議論の本番になると思うので』という指摘の通り、今年こそこの問題が本格化するだろうと思われます。
「広く表現の自由を守るオタク連合」という名前の集団が、多かれ少なかれAV制作という「表現」を規制することとなるいわゆるAV新法を肯定的に扱うことに疑問を抱く人もいるかもしれません。しかし、我々は方針で示す通り、野放図な「表現無罪」という態度を取りません。AVの制作過程で出演者の人権が侵害されることはあってはならず、(規制というかたちをとらずに問題が解決するのが理想だとしても)人権侵害を防ぐためであれば適切な規制ならやむを得ません。
『AV新法については人権侵害や虐待からの自由・抗議の自由という社会的に優先保護されるべきものを不充分ながら保護する規制であり、AV新法によって保護されるはずの基本的な自由を、なぜか自称表現の自由戦士がバッシングする』おかしさを指摘したコメントもありましたが、この件に対するバッシングがこれまで経験したどの騒動よりも度を越していて異様だと感じます。
また、コメントには『一つになんか絞れない…』『全ての候補が優勝候補すぎる』というものもあり、いずれも問題である出来事に順位をつける不毛さも感じているところです。2023年はこの点を解決するアイデアを考えておかねばならないでしょう。
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