新橋九段です。
昨日を持って、表現の不自由大賞2020の投票を締め切りました。皆様、投票ありがとうございました。
有効投票数は139票と、昨年の86票から大きく伸ばすことができました。ひとえに、皆様のお力添えのおかげだと思っています。2021年は衆議院選挙の年ですから、この調子で表現の自由の大切さを訴えていきたいと思います。
さて、それでは昨年に倣い、結果と総評、寄せられたコメントを、得票の少ない順に発表いたします。
第6位 大阪府警 3票
ノミネート理由:法的根拠のない政治的演説の中止要請
第6位は大阪府警でした。国政政党の街宣へ一方的に中止を要求するというTwitter上で公開された動画は衝撃的でしたが、複数回問題を起こしているほかの候補に比べて印象が薄くなってしまうのはやむを得ないことではあります。世が世なら第1位となっておかしくない事例でしたが、相手が悪すぎました。
第5位 内閣広報室 10票
ノミネート理由:テレビ番組や出演者の発言の日常的な監視
次いで、内閣広報室がランクインしました。大阪府警同様、問題が取り上げられたタイミングが少なく、また菅首相に得票を吸われた節もあるかと思います。「あいトリと悩みましたが、権力の直接圧力はまずいのではと思った」というコメントが寄せられています。
ただ、この問題が表沙汰になったのは市民の情報開示請求によるところが大きく、市井の活動と情報を開く姿勢の重要性も浮き彫りになったといえましょう。
第4位 Twitter Japan 21票
ノミネート理由:日本青年会議所との連携および度重なる差別発言の放置・容認
昨年より得票を集めつつ順位を下げたのがTwitter社です。「アメリカ本国の果断な処置と比較すると、Twitter Japanの行動は放置プレーよりも故意の怠慢であるようにも見えます」「ドナルド・トランプをはじめとする放言への対応に関しての、本国のTwitter社とTwitter Japanの運営方針の差。2021年にも食い込んでいますが、表現の自由を履き違えた企業とユーザーの後進性が嫌というほど目に見えました」など、米大統領選に関連したコメントが寄せられています。Qアノン騒動を目の前にしても、日本のTwitter社は変わらないのでしょうか。
第3位 菅義偉総理大臣 27票
ノミネート理由:法律で定められた日本学術会議の推薦会員を任命拒否したことなど
我らが総理大臣が第3位に入りました。「どれも迷いましたが影響の広さということで選ばせていただきました」と、首相であることを重くみた意見がありました。また「表現の自由に対する制限・弾圧の始まりは「批判をした者」の排除から!」と、首相の専制的な態度を批判するコメントもあります。現在行われている国会でもまともに答弁できていないようですし、自由を名前に関する党の総裁としてもお粗末な有様です。
第2位 自由民主党 33票
ノミネート理由:所属議員による度重なる発言と言動(杉田水脈、河野太郎、世耕弘成、山田太郎など)
第2位には菅首相の住処である自民党がランクインしました。内閣広報室と首相に票が割れたと考えれば、自民党が集めた票数は第1位を上回ります。「本当に一度政権交代しないとだめ」「結局ここが表現規制の原点なので」「個々にエントリーしても良い位ですので、集合体とあらば断トツでしょうね」といった意見がありました。また、今回は議員個別に投票を募りませんでしたが、「人物は個別には入れられないんですかね?入れられれば山田太郎一択なんですがw」というコメントもありました。次回以降の検討事項ですね。
第1位 河村たかし名古屋市長 45票
ノミネート理由:あいちトリエンナーレの負担金に関する訴訟、および大村愛知県知事へのリコールの主導
そして栄えある第1位は、昨年の27票から大きく得票を伸ばし、名古屋市長でした。並みいる強豪を退け堂々の2冠です。あいちトリエンナーレ自体は2019年の出来事であったにもかかわらず、負担金の支払いを拒み、リコールを主導することで問題を引き延ばすというトリッキーな戦略により見事第1位を獲得しました。「権力批判の統制を許してしまえば、市民が権力の暴走を止めることが困難、不可能になってしまう」といった意見がありました。
また、河村市長はこのままでは3冠を達成する可能性があります。自身の主導したリコールは8割が不正な署名であったことが明らかになり、刑事告訴すら検討されています。この点に関して「リコール請求のような有権者に認められている制度を用いることで、「敵」を排除しようとする動きが気になる年でした」という意見もありました。
この刑事告訴に対する言動如何によっては、2021年も候補に挙がることとなるでしょう。
全体を振り返って、今回も昨年同様、1つしか選択できないことに不自由を感じるという意見もありました。この手の問題は細かいものが沢山起こることのほうが多いので、一気に候補を増やして複数選択制にする、自民党部門を設けるといった変化が必要かもしれません。
ではまた来年!
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