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山田太郎参議院議員への公開質問状

2021年7月6日
参議院議員 山田太郎様
山田太郎事務所 スタッフの皆様


広く表現の自由を守るオタク連合
発起人:新橋九段

 衆議院選挙を目前に控え、山田太郎議員につきましては日夜ご努力を積み重ねておられることと存じます。この度、山田議員の活動とお考えについてお尋ねすべき点があり、不躾ながら質問状を送付させていただきます。
 なお、質問状は国会議員のお考えを問うものであり、とりわけ山田議員の公約ならびに2019年参議院選挙当時からの発言にかかわるものであることから、誠に勝手ながら公開質問状のかたちをとらせていただきます。回答は7月末までによろしくお願いします。回答方法はお任せしますが、質問内容の性質から有権者が自由に閲覧できるかたちであることを望みます。

質問の背景
 山田太郎議員は2019年に行われた参議院選挙において、表現の自由を守るという公約を打ち立てながら自民党から出馬し、当選されました。その直後、名古屋市で開催された『あいちトリエンナーレ』で行われた展示『表現の不自由展・その後』が脅迫に晒さました。展示は一時中止に追い込まれ、文化庁からの補助金不支給、河村たかし名古屋市長や高須克弥氏が先導する大村秀章愛知県知事のリコール活動と不正署名問題にまで発展しました。
 また今年に入り、東京で開催を予定していた『表現の不自由展』が抗議により延期を余儀なくされました。加えて、大阪で開催を予定していた展示も会場の使用許可が施設管理者により取り消されるなどの問題が起きています。
 我々、広く表現の自由を守るオタク連合は、その名の通り表現の自由を擁護することを目的に集まったオタク自認者の集団です。山田議員はコミックマーケットとも深くかかわり、いわゆるオタク的な表現の自由を擁護するために努力されてきたかと思います。しかしながら、改憲草案で権利の制約を公言する自民党から出馬し、『あいちトリエンナーレ』で公然と行われた表現の自由への弾圧にほとんど発言がなかったことから、我々は、山田議員が本当に表現の自由を守ろうとしているのか不信感を抱いているのが正直なところです。
 今回質問する4項目は、そうした不信感を払しょくするためにぜひとも必要なものであると考えています。考えを明らかにし、市民と議論を深めることは政治家の重要な職務の1つです。特に、表現の自由を重視する山田議員であれば、誠実な回答をいただけることと信じています。


質問1
 大阪で開催される予定の『表現の不自由展』が会場としていた大阪府立労働センター (エル・大阪) の施設管理者が施設の使用許可を取り消したと報道され、自民党に所属する西村日加留大阪府議がこの件に働きかけをしたと思われる投稿をインターネット上で行っているところだが、この件に関してどう受け止めるか。また、この件に関して山田議員が何らかの対応をする計画や予定があるか。

質問2
 2019年に開催された『あいちトリエンナーレ』内の展示『表現の不自由展・その後』で展示された作品のひとつである『平和の像』(戦時性暴力者、いわゆる従軍慰安婦の姿をかたどった像) について、山田議員は自身のYouTubeチャンネルで公開している動画『【第358回】あいちトリエンナーレ・表現の不自由展~わたしの意見を述べます~【山田太郎のさんちゃんねる】』(以下【第385回】とする) 内 (再生時間37分ごろ) で、像に関して「一種のプロパガンダが行われたということになります」と発言しているところだが、山田議員は太平洋戦争時の日本による戦時性暴力 (いわゆる従軍慰安婦問題) をどのように考えているか。政府は旧日本軍が戦時性暴力に関与したことを認める河野談話を継承しているが、仮に山田議員に政府の立場についての異存がないなら、なぜ『平和の像』が「一種のプロパガンダ」になるのか。

質問3
 2019年に開催された『あいちトリエンナーレ』内の展示『表現の不自由展・その後』に関して、菅義偉官房長官 (当時) が「補助金交付の決定にあたっては、事実関係を確認、精査して適切に対応したい」と発言した。この件に関して、山田議員は自身のYouTubeチャンネルで公開している動画【第358回】内 (再生時間23分ごろ) で「展示の中止は公権力によるものではない」「補助金を出す立場が再検証するというのは当然なので問題ない」という趣旨の発言をしたが、この後に行われた文化庁による補助金不支給の決定などを踏まえた上で、この考えは現在も変わっていないか。また、政府の主張する『事実関係を確認、精査』が表現に圧力をかける口実に過ぎないことが容易に想像されるが、山田議員は当時、あるいは現在、そのように考えなかったのか。

 

以上
 

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